よくある質問とその回答をカテゴリごとにQ&A形式にまとめました。

お客様から寄せられている試作・開発に関するお問合せの中から、よくあるご質問とその回答を掲載しております。掲載されてないご質問、より詳細に知りたい内容がございましたら、お気軽にお問い合せください。

テックラボへの依頼、ご相談に関して

他社との違いはなんですか?

まずは、圧倒的な開発・試作のスピード感。更に、製品の製作だけに留まらず、開発の段階から設計支援や工法の提案などが可能です。要求される機能・性能を効率良く実現するための最適設計を行うことを特長としています。また、CFRPにまつわる技術は日進月歩です。テックラボでは常に最新のCFRPの設計、成形・加工、評価技術をいち早く取り入れ、皆様の製品・部品開発にフィードバックすることが出来ます。
テックラボの特長」ページでわかりやすくご紹介しておりますので、是非ご覧ください。

試作はどのくらいでできますか?

弊社では開発・試作にはスピード感が大切だと考えています。
単純な板ものの成形・加工であれば最短1週間、ちょっとした部品であれば、成形型製作→CFRP成形→加工を2週間程度で行います。(商議の時間を除く)
多少込み入った部品・製品でも1ヶ月後には形にしてお見せすることができます。

図面は必要ですか?

CFRP部品試作のために図面をご用意頂く必要はありません。試作したいものがイメージできるポンチ絵や3Dモデルなどと、使用条件(寸法の制約、支持点、荷重点等の拘束条件と想定荷重など)を教えて頂ければ、CFRP部品として適したものをご提案いたします。既に金属部品用の図面をお持ちの場合には、極力イメージ通りのものとなるようこれをベースとして、CFRPの加工上細部の調整が必要であれば、それをさせて頂いた上で試作にかかります。

どんな形状でも製造できますか?

物理的に実現可能な形であれば製作は可能です。
ご要望の形や機能・性能に対して、より現実的な製作手法やCFRPとして適した形状をご提案いたしますのでご相談ください。

CFRPの強度はどれくらいをみておけばいいですか?

CFRPは用いる炭素繊維の選定、そのプリプレグや積層の仕方によって、様々な強度特性を得ることができますし、強化方向も制御できます。そのため一概には言えないのですが、「一般的な鉄(S45Cなど)の強度をまず確保した上で、必要な(特定の)方向に対して最大で10倍程度までの強度を発揮させることができる」というのが感覚的にわかりやすいイメージかと思います。これを鉄の1/5(比重で約1.5)の軽さで実現できるのがCFRPのすごいところです。
資料ダウンロード」にございます ”CFRPでできること” の資料におおよその強度が記載されておりますので、こちらも参考ください。

CFRPはどれくらいの精度が出せますか?

一般的には十分台から百分台といったところです。これは、CFRPがミクロレベルで硬度の高い炭素繊維と硬度の低い樹脂マトリックスとの複合材料であることと、切削油が使えないことにより、金属と同条件での加工ができないことに由来します。
しかしながら、テックラボでは、CFRP加工に特化した工具と独自の加工条件とにより、金属部品相当の精密加工が可能です。具体的には、JISB 0405のf級(精級)相当の加工精度、JIS 0401のH7相当のはめ合い精度などが達成可能です。また、特殊な表面処理により、面精度や面粗度が1ミクロン以下の鏡面を形成することもできます。

応力解析や強度試験も依頼できますか?

CFRPの応力解析は、多様な炭素繊維を組み合わせ、求められる機能・性能を効率良く発揮するための異方性積層設計に基づく解析を行うことが肝要です。しかしながら、一般的な金属材料と異なり、ハンドブックのような既知の材料物性リストの存在しないCFRPの場合、解析したくてもベースとなる材料データが存在しないため、解析をはじめられないケースが散見されます。テックラボでは、豊富な開発実績に基づくCFRP解析のための材料データを保有しており、材料データをお持ちでない方でも、部材・製品の成立可否を検討するための応力解析、剛性解析、伝熱解析、熱変形解析などを承ることが出来ます。
更に、候補となるCFRP材料(成形品またはプリプレグなど)をお持ちの方であれば、テックラボにて各種試験片を成形・加工し、そのまま機械試験にかけて材料定数を導出することも可能です。
総合的な開発・試作はもとより、CFRPの解析だけ頼みたい、試験片作成だけ頼みたい、機械試験だけ頼みたい、といったご要望にもフレキシブルに対応させて頂きますので、ご遠慮なくご相談ください。

量産はお願いできますか?

もちろん承ります。CFRP・ドライカーボンは、プラスチックの射出成形や金属プレスなどのような高額の金型等、初期投資を必要としないため、試作や小ロットの生産には適した材料です。月産数百程度までの生産であれば、試作の延長での量産が可能です。これを上回る数量の量産の場合には、テックラボにて専用のラインを組んで対応いたします。また、月産数千から数万といったレベルの量産の場合は、製造装置の自動化や各種量産型RTMやSMC、熱可塑プレスなど、仕様と用途に応じた量産プロセスの開発を行い、ご希望があれば自社での生産ラインの立ち上げをご支援いたします。

製造工程は見学できますか?

基本的に可能です。CFRP試作の感覚を掴んで頂くためにも、是非見に来てください。
但し、製作する物の多くが開発中の機密を含む為、見学をご希望の際には必ず事前にご連絡ください。

学生です。研究、サークル等でカーボン・CFRPを使いたいのですが、あまり費用はかけられません。

テックラボは先端材料技術協会(SAMPE Japan)と株式会社IHIとが共催するIHI/SAMEP Japan学生ブリッジコンテストに材料スポンサーとして参画するなど、CFRPを使った構造・部品の軽量化に興味を持つ学生の研究・開発や競技会への参加を支援しています。一部条件がありますが、カーボン・CFRP業界の発展に寄与できればと考えておりますので、まずはご遠慮なくご相談ください。

個人での依頼は可能ですか?

可能です。個人事業に供するための製品・部品試作、開発のご依頼はもちろんのこと、個人で楽しむための、自分だけのオリジナルパーツ製作など、フレキシブルに対応いたします。
ただし、物品のご発注ではない、アイデアのみのご提案などはお受けしておりませんので悪しからずご了承ください。

実績・製作物について

オリジナルの自動車部品をカーボンで作れますか?

個人で楽しむためのオリジナル部品はもちろん、販売のための部品試作など、幅広く対応いたします。法人の方に向けては、企画、デザインコンペの段階からでもお手伝いいたしますので、お気軽にご相談ください。

自動車以外の分野でもご依頼できますか? 実績はありますか?

テックラボは長年、F1をはじめとする自動車レースや自動車の軽量化を目指した車体のCFRP化開発など、自動車業界で経験を積んできましたが、ここで培った究極の軽さを追求するCFRP部品の開発・製造技術は、ロボットや医療・介護機器、空飛ぶクルマなど、部品の軽量化が望まれる分野に広く適用可能であり、幅広い開発実績を持っています。用途に応じた、最適な作り方をご提案させて頂きますので、是非お問い合わせください。

カーボンで家具を作ったりできますか?

弊社オリジナルのテーブルや商品棚もございます。また、家具にとどまらず、日用品やステーショナリーグッズ、販促品など様々なオリジナル製品を創り出すことができます。
また、デザインからのご相談も承ります。
法人の方も、個人の方も、お気軽に「お問い合せ」ください。

車椅子や介護車椅子もカーボンで作れますか?

テックラボでは、今後の高齢化社会への対応や、ボーダーレス社会の実現に向けた取り組みを重視しており、CFRPのような軽量化材料・構造システム技術による貢献を目指しています。車椅子をはじめ、介護用機器・ロボットなど幅広く対応しておりますので、是非ご相談ください。

別メーカーで作ったカーボン商品を修理可能ですか?

カーボン・CFRPの修理は、自動車の修理のような板金修理とはイメージが異なり、外観上元通りにはなるものではありませんが、機能を回復させるための標準的な修理方法はございますので、それに従った修理は可能です。どこで製作されたものであるかにかかわらず、個別に物理的な修理の可否や費用について検討、お見積もりいたしますので、ご遠慮なくご相談ください。

製作物の輸出は可能ですか?

可能ですが、輸出規制がありますのでご相談ください。

カーボン・CFRPについて

テックラボではCFRP製作を検討している方向けに「カーボン・CFRPの開発設計ノウハウ」というページを公開しています。より実践的な設計ノウハウ、製作をスムーズに進めるための抑えたいポイントなどを掲載していますので、併せてご覧ください。

CFRP製品の優れているところはなんですか?

高い強度や剛性を持ちながら金属に比べて比重が小さく、部品や構造の軽量化が可能である事が最大の特徴です。加えて、熱膨張率が小さく、温度変化に対する寸法安定性が優れているところも機械部品にとっては大きなメリットです。また、炭素繊維の種類の中でも、石油ピッチや石炭ピッチを原料とするピッチ系炭素繊維は最大で銅の2倍の800W/m/Kもの高い熱伝導率を持っており、これを用いたCFRPは重量当たりの伝熱性能が極めて高い、優れた特長を有しています。

カーボン製品とはどういうものですか?

カーボンとは、本来は元素としての「C:炭素」を意味する言葉ですが、繊維状の炭素を強化材としてエポキシ等の樹脂をマトリックスとする炭素繊維強化プラスチック(Carbon Fiber Reinforced Plastics = CFRP)を略してカーボンと称することが工業的に定着しました。従って、カーボン、或いはカーボン製品という言葉で表されるものは、正しくはCFRPであることが殆どですが、CFRPを意味する「カーボン」というキーワードが広く定着しているため、テックラボでも「CFRP・カーボンのプロフェッショナル」などの表現を使っています。CFRPは大まかに『ドライカーボン』と『ウェットカーボン』という工法に分ける事が出来ます。

ドライカーボンとは?どのような特徴がありますか?

ドライカーボンとウェットカーボンは、使用する樹脂と成形工法が異なり、性能や価格面で違いがあります。

ドライカーボンは、炭素繊維間に予めエポキシ等の耐熱樹脂を含浸させ、半硬化状態に保持したプリプレグという中間材料を型に張り込み、熱と圧力をかけて成形するカーボン製品です。
強度に対する重量が軽く、同程度の強度部材を他の材料からドライカーボンに置き換えることにより大幅に軽量化する事が可能です。また、耐熱性に優れ、変形が少ない事も特徴で、これらの理由からレーシングカーの外板やエアロパーツ、航空機等に多く使用されてきました。成形にはオートクレーブと呼ばれる高圧の加熱装置が必要で、プリプレグという中間材料を作るコストがかかるものの、繊維間への完全な樹脂含浸が担保されているため、性能の発現率が高く、品質が安定しています。

ウェットカーボンとは?どのような特徴がありますか?

ドライカーボンとウェットカーボンは、使用する樹脂と成形工法が異なり、性能や価格面で違いがあります。

ウェットカーボンは、カーボンの繊維にポリエステル等、常温硬化型の液状樹脂を含浸させながら型に張り込み、自然硬化させて成形するカーボン製品です。
熱や圧力をかける設備を必要としない為、ドライカーボンと比べてコストを抑えられますが、性能面ではドライカーボンに劣ります。

プリプレグとはなんですか?

プリプレグとは、繊維強化プラスチック(FRP)を成形するため、カーボンやガラスなどの強化繊維間に予めエポキシ等の耐熱樹脂を含浸させ、半硬化状態に保持したシート状の中間材料です。CFRPに用いられているのは炭素繊維を強化材としたカーボンプリプレグです。
カーボンプリプレグには、繊維を一方向のみに揃えてある『UD材』と、繊維を縦横に織り込んだ『クロス材』があります。